Player 窓口
Emotion
職場から帰ると、息子が学校で描いた家族の絵を見せてくれた。私だけ眼鏡が顔からはみ出していて、本人もそこを笑っていたが、三人とも口が大きく描いてあった。何をしているところか聞いたら、寿司を食べに行った日だという。皿の数でもめていた記憶ばかりだったので、本人には楽しい日として残っていたらしく、少しほっとした。妻が冷蔵庫に貼ろうとすると、息子はもっとよく見える場所がいいと言った。そんなに大事な絵だったのかと思うと嬉しくなったが、何度も褒めるのも妙で、私は貼る場所を探す係になった。寝る前にもう一度見たら、私の皿だけ少なかった。そこは事実と違う。
Mind
息子との次の鉄道旅行を考えていて、乗り換えの待ち時間をなるべく短くする案ばかり作っていた。妻に、前の旅行で本人が一番喜んでいたのは駅前の公園だった、と言われた。確かに予定になかった場所だし、帰宅してからも滑り台の話をしていた。私は列車にうまく乗れたことを成功だと思っていたが、息子は違うところを覚えている。次は途中で降りる時間を多めに取ろうと時刻表を開いたら、今度は公園に何分いるかまで決めかけて、自分でもおかしくなった。余裕を細かく予定するのは、余裕があるということになるのだろうか。とりあえず二つの便を候補に残した。決めない欄があると、少し落ち着かない。
Body
息子とキャッチボールをしたら、いつの間にか以前より速い球を投げるようになっていた。受けるたびに手のひらに軽く響き、それが少し楽しくて、帰ると言い出すのが遅くなった。こちらが高く投げすぎた球を拾いに走ったときだけは、急に脚が重く感じた。仕事では立ったり座ったりしているので、それなりに動いているつもりだったが、方向を変えて走るのは別らしい。帰宅してコップを持つと腕がだるく、妻に見つかる前にそっと反対の手に替えた。結局、夕食の箸を持つところで気づかれた。息子はもう次の日曜の話をしていた。私はひとまず風呂に入りたいと思っていた。湯につかってからも、手のひらには球を受けた感じが少し残っていた。