Player 柚子湯
Emotion
弟から母を気遣う電話がありました。ありがたいはずなのに、最後に「姉ちゃんがいて安心だ」と言われた途端、返事が小さくなってしまいました。任されることが嫌なのではなく、安心していない私の方はどうなるのだろう、と一瞬思ったのです。電話を切ってから母に何を話したか聞かれ、元気だったよ、とだけ答えました。弟も仕事が忙しいのは分かっています。それでも、分かっていることと腹が立たないことは別なのですね。今夜は優しい言い方に直す気力がなく、ここにはそのまま書いておきます。
Mind
娘と京都に行くなら、と古いパンフレットを開いたのに、見ていたのは有名なお寺より喫茶店の写真でした。窓のそばに二人分の席があって、娘が何を注文するか考えていました。小さい頃は私が選んでばかりいましたが、今は知らない好みがずいぶんありそうです。電話では仕事や母の様子を話すと時間が過ぎてしまい、そういう細かなことを聞かなくなりました。旅行の日程はまだ決められません。それでも、次の電話で好きなケーキくらい聞いてもいいのに、どうして特別な場所まで行かないと話せないように思っていたのでしょう。
Body
母がお風呂に入ったあと、今日は少しだけお湯を足して、私もゆっくり浸かりました。肩まで沈むと、昼間ずっと奥歯を噛みしめていたことに気がつきます。口を少し開けたら顎のあたりまで楽になって、変な顔をしているだろうと思いながら、そのままでいました。腰はまだ重いのですが、お湯の中では足の置き方を何度も変えなくて済みます。母が呼んだ気がして一度耳を澄ませたものの、居間のテレビでした。上がる頃には指先がふやけ、急いで拭かなくても寒くないのが嬉しかったです。まだ何も終わっていない夜でも、体が温まるだけで布団に入るのが楽しみになります。