Mind
受付の説明を一枚の紙にまとめようか考えている。いつも同じことを聞く患者さんに、前にも言いましたよとは言えないし、言ったところで覚えられるわけでもない。自分でも初めて行く場所では、帰る頃に大事な話を忘れている。文字を大きくすると紙が増えるし、短くすると説明が足りない。看護学生の娘に見てもらおうと思ったけれど、実習で忙しいところへまた用事を持ち込むのもどうかな。まず夫に読んでもらう。黙っているのを理解したと思わず、分からないところを聞いてみる。
Body
聖歌隊の練習で長い音を伸ばしたら、途中から息が足りなくなって母だけまだ歌っていた。八十一歳に負けたばい、と小さく言ったら聞こえていて、息を吸う場所が違うとまた教えられた。二回目は少し楽に伸ばせて、胸のあたりが温かくなった。受付で座っている時はこんなふうに息を出し切ることがない。帰りの坂ではさすがに話が途切れたけれど、苦しいというより声を使った後の気持ちよさが残っていた。家で夫に同じところを歌ってみせたら、お茶を飲みながら一度だけ頷いた。
Emotion
息子から福岡で食べたものの写真が届いた。ちゃんと野菜もあったので、まずそこに安心してしまう。返事に日曜は休みかと書きかけて、またミサの話と思われるかな、と消した。今日はただおいしそうと言えばよかたい、そう思うのに指が止まる。仕事はどうか、誰と食べたのか、聞きたいことはたくさんある。でも向こうから写真を送ってきてくれたのが嬉しい。夫に見せると、うまそうだなと言って終わり。その返事の簡単さが少し羨ましかった。