Player ひとり鍋
Body
銭湯の帰り、髪がまだ少し湿っていたので、いつもよりゆっくり自転車を押した。湯の中では肩が軽くなった気がするのに、服を着て鞄を持つと、すぐ元の位置に戻ってしまう。今日は片方に掛けず、かごに入れた。首の後ろに風が当たると気持ちがよく、橋の手前で足を止めたら、今度は足先から冷えてきた。体の一部分だけ快適にするのは難しい。部屋で靴下を履き、湯を沸かした。のどが渇いていたことにそこで気づく。研究室で飲む水は作業の区切りに飲んでいるが、今夜は二杯続けて飲んだ。
Mind
古い映画を見ていて、聞き取れない台詞より、聞き取れたつもりの台詞の方が危ないと思った。登場人物がなぜ笑ったのか分からず、三回戻して、ようやく別の単語だったと気づいた。音は最初から同じなのに、一度意味を決めると、その意味に合うように聞こえてしまう。研究の録音でも同じことをしていないだろうか。気になる箇所をノートに書いたが、映画を見る時間にまで確認事項を増やしたくない気持ちもある。今夜は続きを止めずに見た。分からなかった台詞の場所は、やはり覚えている。
Emotion
学生が授業後に残り、韓国映画の題名を一つ教えてくれた。私に質問するためではなく、先週の話を聞いて、好きそうだと思ったらしい。見るかどうかはまだ決めていないが、その理由がうれしかった。返事が短すぎた気がして、学生が帰ってから題名を確認するだけのメールを書きかけた。結局送っていない。礼は教室で言ったし、もう一度言うために用件を作るのも妙だ。ただ、今までは授業が終わるとこちらも役目を終えた感じがしていたのに、今日はその映画のことが帰り道まで残っていた。